表面α線イメージ分析装置 (AICHAM)

 μ-PIC を用いたタイムプロジェクション・チェンバー(TPC)を動作原理とした、 表面アルファ線イメージ検出器を開発し、 この検出器を用いた高感度な試料分析を請け負っています。
 アルファ線の飛跡を3次元で再構成することができるため、 サンプル表面のどこからアルファ線が発生したか同定することができ、 極低放射能雑音で、高感度な分析を実施できるユニークな分析手法です。



 画像化できる大きなメリットは、 複数サンプルを同時に測定できる点でしょうか。
上の写真にも載せましたが、15cm×15cmの有効面積に、10mm角ほどの小さい結晶を7つ同時に測定した事例です。
このような新素材の分析検査では、質量を稼げないこともあり、 小型サンプル測定で同時に測定できる手法が比較検査で有効です。

  • 2018年から分析運用を開始し、地下宇宙素粒子実験の最先端検出器のための素材分析を実施しました。
  • 2021年度、分析感度改善のために、TPCフィールドケージをアップグレードし、9月に安定動作で分析できるようにしました。
  • 2022年度、KamLAND実験グループのPENフィルムシートNEWAGE実験グループの銅リボン東京大学および東北大学で開発しているシンチレータ結晶 (上の写真と得られる汚染画像)の表面アルファ線分析を実施しました。

    2020年度から2021年度は新学術領域「地下宇宙」公募研究の支援を受けています。
    この方針に従い、地下素粒子分野だけでなく他の分野領域での広い活用も目指しています。
    ご興味がありましたら東京理科大学の伊藤にお問い合わせください。
  • 関連情報

    2022.09.26-27 第4回 量子イメージング研究会(QBI2022)にて 「ガスTPC検出器に基づいた極低放射能アルファ線イメージング分析装置の開発と応用 (Development and application of a low-background alpha particle imaging based on a gaseous TPC detector)」 というタイトルで発表しました。

    2022.06.15 国際学会UGAP2022にて、 Alpha particle imaging chamber (AICHAM) for screening LowBG surface RI contamination を発表しました。

    2022.02.22 国際学会TAUP2021のproceedings "A progress of upgrading α-ray imaging chamber in a low background radioactivity" (open access)が Journal of Physics: Conference Seriesに掲載されました。 (Hiroshi Ito et al 2021 J. Phys.: Conf. Ser. 2156 012176)

    2021.09.14 日本物理学会2021年度秋季大会で研究結果を発表しました.

    2021.09.14 検出器のアップグレードをして運用開始しました。

    2021.09.01 国際学会TAUP2021で、 アルファ線分析装置の研究内容について、 "Progress of upgrading alpha-ray imaging detector in low radioactivity background" というタイトルでポスター発表しました。

    2021.05.19 新学術「地下宇宙」領域2021年領域研究会にて、研究結果を発表しました.(pdf)

    2020.06.02 新学術「地下宇宙」領域+極低放射能技術の合同研究会にて、研究結果を発表しました.(pdf)

    2020.04.01 科研費 新学術領域研究(研究領域提案型)公募研究として「極低放射能測定におけるμ-TPCを用いたアルファ線イメージ分析装置の開発」の研究費が採択されました. (web)

    2020.03.21 国際学会TAUP2019でProceedingsが掲載されました.こちらです.

    2019.10.25 学術雑誌Nucl. Instr. Meth. Aに"Development of an alpha-particle imaging detector based on a low radioactivity micro-time-projection chamber"というタイトルで論文が受理されました.(web)

    2019.09.18 日本物理学会2019年次大会で発表しました。18aT12-6

    2019.09.13 国際学会TAUP2019でポスター発表しました。#301

    研究会・学会発表スライド、論文一覧

    国際学会 UGAP2022 スライド(英語)
    "Alpha particle imaging chamber (AICHAM) for screening LowBG surface RI contamination" (pdf)

    新学術「地下宇宙」領域2021年領域研究会 スライド(日本語)
    "D班: 極低放射能測定におけるμ-TPCを⽤いた表⾯アルファ線イメージ分析装置の開発" (pdf)

    新学術「地下宇宙」領域+極低放射能技術の合同研究会(2020年) スライド(日本語)
    "極低放射能測定におけるμ-TPCを⽤いた表⾯アルファ線イメージ分析装置の開発" (pdf)

    学術論文 学術雑誌Nucl. Instr. Meth. A (英語)
    "Development of an alpha-particle imaging detector based on a low radioactivity micro-time-projection chamber"
    10.1016/j.nima.2019.163050
    arxiv.1903.01090

    国際学会Proceedings 2019 (英語)
    "Alpha-ray imaging chamber based on a micro-TPC in a low radioactivity structure"
    10.1088/1742-6596/1468/1/012233

    国際学会Proceedings 2021 (英語)
    "A progress of upgrading α-ray imaging chamber in a low background radioactivity"
    10.1088/1742-6596/2156/1/012176